PCを使う上で入力装置もそうですが、やはり長時間体を預けるチェアも重要ですよね。
先日ねとらぼ等の各種メディアで『ビーズのオフィス・インテリアブランド Bauhutte(バウヒュッテ)から、ゲーマーのための機能を備えた「ゲーミングチェア RS-800RR」が発売される』とのプレスリリースを見て「コレはっ!」と思い立ち、ビーズさんにご協力をお願いした所、レビュー用に製品を提供していただけました。
ビーズさん、ありがとうございます。
と言うわけで、Bauhutte RS-800RR-RDの試用レビューです。
快適さを求めて……
PCを使う上で大事なものって色々ありますよね。
PC自体のスペック(CPUやGPU、そしてメモリ容量など……)も勿論ですが、それ以上に重要なのがキーボードとマウス、そしてチェア(椅子)。
スペックの高いPCを用意しておきながら、キーボードやマウスが付属品、なんて人もいるようですが……
短時間なら未だしも、長時間PCを使うとなると入力機器も自分にあった良い物を選ぶべきですね。
そして、直接PCに関わるものではないですが、チェアも大事です。
キーボードやマウスについて、使い易い物を探し求めていくと、行き着く先はゲーミングキーボード、ゲーミングマウスになります。
ゲームは世界的にe-Sportsとして認知され、その世界でプロとして活躍されている人達もいます。
プロのテニスプレイヤーがラケットやウェアに拘りスポンサー企業と協力して良いラケット・ウェアを開発しているのと同様に、e-Sportsでもプロはキーボードやマウスに拘りを持ち、より使いやすいものを機器メーカーと協力して開発している訳です。
当然、それらのキーボードやマウスは二束三文で叩き売りされているような物とは段違いの値段、一般の人から見れば非常に高い値段が付けられていますが、それだけに使い勝手も段違いです。
PCメーカーの付属品と同等レベルのキーボードやマウスがPCパーツショップで段ボール箱に放り込まれて500円以下の値段で売られていたりしますが……
一般の人が家電量販店等でそれなりの良いキーボードやマウスとして認識しているものが概ね2,000円~3,000円程度の物ではないでしょうか。
そして、それなりに拘りを持つと、最良とは言わないまでも、そこそこ良い物として選ぶキーボードが概ね1万円半ば程度~、マウスも7千円程度~になると思います。
利用するシーンにより、最良の基準は変わりますが、恐らくキーボードの最高峰は静電容量無接点方式を採用している東プレのREALFORCEでしょう。
ゲーム用途で見るなら定荷重All45gのREALFORCE91UDK-Gが最良になると思います。
ただREALFORCEはお値段の方もそれなりで、2万円程度しますので、もう少しお手頃価格で、となるとメカニカルキーボードになりますね。
マウスについては自分の手の大きさにあったもの、というのが大前提になると思います。
海外メーカーのものは外人さんの大きさに合わせたものが多く、小型マウスの類を探さないと使いやすいものが見つかりません。
下手に大きいゲーミングマウスを使うくらいなら、サンワサプライ等の中型マウスを使う方が快適だったりします。
現在、筆者はキーボードとしてROCCAT Ryos TKL Proを、マウスとしてROCCAT Kone Pureを使用しています。
これらについてはゲームをプレイする上での快適さ、応答性等を求めた結果ではなく、通常の利用用途、ブラウジングであったり、ブログ記事の作成であったり、プログラミングであったりと言う、ごくごく一般的な用途で快適さを求めた結果、たまたまゲーミング用途向け製品だった、と言うことになります。
ROCCAT Ryos TKL Pro ROCCAT Kone Pure
長時間PCを使う上で、キーボードやマウスといった入力装置に良い物を選ぶのは、手や腕の負担を軽減する意味でも大事です。
体への負担を軽減すると言う意味では、キーボードやマウス以上にチェアは重要だと言えます。
流石に自宅でパイプ椅子なんかに座ってPCを操作している人はいないと思いますが、長時間座る以上は最低でもOAチェアの類を選んでおく方が良いですね。
以前レビューでも書きましたが、現在筆者が使用しているのはコイズミファニテックのOAチェア、JG-42381BKになります。
現時点では旧製品になっていて後継機種が出ているようですが。
実売価格で大体1万円台後半、2万円弱くらいのOAチェアです。
まぁ、筆者はアウトレットの物を1万円程度で購入した訳ですが。
機能的にはアームレスト付きのローバック、シンクロロッキング、アームレストは高さ調整可。
流石にゲーミング用製品ではありませんが、OAチェアとしてはなかなかの物です。
かなり前置きが長くなりましたが……
今回ビーズ社のBauhutte RS-800RR-RDを試させて貰いたいと思ったのは、ねとらぼ等の各種メディアで掲載されていたプレスリリース記事を見て、このチェアなら今以上に快適に過ごせるんじゃないかな、と思ったからなんですね。
平日帰宅してからPCの前で過ごす時間はかなりなものになります。
土日はさらに長い時間過ごしているわけですが……それ故にチェアの快適性はかなり重要になります。
デザインも然ることながら、Bauhutte RS-800RR-RDの各種機能、シートの形状や素材等、これは良さそうだ、と思わせるものがありました。
恐らく筆者同様に気になった人も居ると思いますが……お値段の方もOAチェアとしては標準的だとは言え それなりにはしますので 手軽に試す、と言う訳にはいかないですしね。
そんな訳でビーズ社の方にお話をさせて頂いて、今回レビューさせていただくことになった訳です。
チェアが届いたよ!
そんな訳で筆者宅に届いたBauhutte RS-800RR-RD。
梱包箱、結構大きいです。
どれくらい大きいかと言うと、箱の横幅が幼児並みのサイズ(w
開封してみます。
取り出したパーツ一式。背もたれと座面のパーツが目を引きます。
カバーパーツやネジ、ガスシリンダー、座受金属部など。
背もたれ。
座面。
脚部。キャスターは5つ。
見えなくなる底面側の仕上げが甘いですね。
塗装にムラがあって地金が見えている部分もあります。
気になる人は気になるでしょうか?
背もたれの縫い目など、見える部分については割と丁寧な作りです。
ヘッドレスト部分にBauhutte(バウヒュッテ)のロゴマークが付いています。
座面の裏。
上の写真の左上隅に品質表示があります。
取扱説明書。オンラインでも公式サイトでPDF形式の物が閲覧可能です。
先ずは付属品の一覧を見てパーツの欠けが無いか確認しましょう。
組み立て開始!
それでは組み立てていきたいと思います。
当たり前の事ですが、取扱説明書の指示通りに組み立てていきます。
読まなくても判るから大丈夫!とか言って勝手にやった挙句に失敗するパターンも多いですからね。
※ 組み立て作業は、2人以上で行ってください
先ずは脚部にキャスターを取り付けていきます。
取説に図解がありますが、それよりは脚部を横倒しにして、キャスターを横から差しこむようにした方が入り易いです。
これは、どこのメーカーのOAチェアでも同じだと思いますよ。
キャスターの取り付けが終わったら、ガスシリンダーを差し込みます。
これで取説の工程1が完了。
お次は座部セットに背もたれを固定します。
ネジとワッシャが付いています。後、ネジを回すためのレンチも。
この工程が一番の山場になります。と言っても作業自体は難しくありません。
今回の工程で使うネジとワッシャ。
ネジ穴は穴の周りがホツレないように焼いてある感じですね。
座部の上に背もたれを立てて、背もたれ固定用パーツの位置を合わせてネジを入れていきます。
立てたままやろうとすると大変なので、寝かせてからやる方が良いですね。
背もたれの表面に穴が開いてるので、そこを目指してネジ入れますが、実際のネジ穴は少し奥まったところなので、ネジの先をネジ穴に入れるのは手探り状態になります。
この手探り状態でネジ差し込むのが、ちょっと大変。
入ったら軽めに仮締めして、反対側も同様にネジを入れ、左右ともに入ったら ちゃんとネジを締めて固定します。
ネジ止め出来たら工程の3、背もたれ固定用パーツのカバーを取り付けます。
左右の金属部の上にプラカバーを置いてからネジ止めします。
左側はリクライニング用のレバーがあるので若干取り付け難いですから注意して取り付けましょう。
逆に右側は何の問題もなく取り付けられます。
なお、こちらのカバーを止めるネジは付属のレンチではなく、標準的なプラスドライバーが別途必要になります。
流石にプラスドライバーが無いって事は無いと思いますが、標準サイズのマイナスドライバーでも代替可ですね。
全く以てドライバーが無いような場合は、諦めてドライバー買ってきましょう(^^;
工程4、座面の裏に座受け金属部を取り付けます。
前方と後方を間違わないように取り付けましょう。
最後に、最初に組み立てた脚部と合体させれば完成です♪
ぐるぐる。
ぐるぐる、どーんっ!
組み立てに要した時間は30分程度でした。
まぁ、写真撮りながらなので、実際には15分もあれば組み上がるんじゃないでしょうかね。
後、パッケージのサイズが大きいので、箱を組み立て場所まで運ぶ時点から2人でやる方が良いと思います。
座面に背もたれを取り付ける際の手探りでネジ穴を探す所が一番大変でした。
まぁ、大変って言うほどでも無いんですが。
使い心地はどうなの?
先ずは見た目をコイズミファニテック JG-42381BKと比較してみます。
Bauhutte RS-800RR-RDはレーシングカーのバケットを模したカーシートタイプで、ハイバックタイプの一種と言えます。
一方、コイズミファニテック JG-42381BKの方はローバックタイプ。
ハイバックの分、背もたれに高さがありますが、必要となる接地面や座面、肘掛けなどは概ね似たような広さ・高さですね。
背合わせにしてみると背もたれの高さの違いが良く判ります。
それでは、Bauhutte RS-800RRの機能を見ていきましょう。
先ずは肘掛け。高さを変えることが出来ます。
さらに、肘掛けの角度も変えることが出来ます。
一般的なOAチェアだと肘掛けの高さは変えられても、肘掛け部分を左右に動かすことは出来ません。
Bauhutte RS-800RRは肘掛け部分を左右に動かすことが出来るので、PCに向かう際にキーボードやマウスに伸ばした腕を綺麗に肘掛け部分で支える事が出来るんですね。
例えばマウスを操作する場合に以下の写真のように腕を支えることが出来ます。
以下の写真は腕をどかした所。
腕を置いていた部分が若干内向きになっていて、肘からマウスにかけてが真っ直ぐになっています。
肘掛け部が固定されている普通のOAチェアだと、肘の部分は支えられても手首に近い部分の腕は支えられないんですね。
少しの差ですが、長時間使用していると、その少しの差の積み重ねが効いてきます。
次にリクライニングとロッキング。
リクライニングの角度はかなり広く、ほぼロッキングの無い状態でも結構な角度になります。
ロッキングを大(柔らかい状態)にすると、足先が浮いて寝ているのに近い状態まで傾きます。
リクライニングは左側にあるレバーで簡単に角度を変えられます。
ロッキングは右側にあるレバーでロッキングを使わない状態に固定出来ますので、緩めの設定にしておいて通常使用時はレバーでロックして固定、休憩時はロックを外して後方へ倒れて疲れを取る、と言う使い方がオススメですね。
ちなみに耐荷重がは100kgもあります。
筆者の上に子供(幼児)を載せても未だ未だ余裕です。
余程じゃない限り耐荷重は100Kgもあれば十分でしょうね。
さて、肝心の座り心地ですが……かなり良いですね♪
クッション材のウレタンフォームが程よい硬さ(柔らかさ)で体を支えてくれます。
リクライニング&ロッキングで後ろに倒せば心地よい眠りに誘われます。
と言うか……子供達が虎視眈々と狙ってて困ります(^^;
座りたがるので撮影兼ねて座らせたら寝るし(w
お姉ちゃんもベッド代わりに……
まぁ、それだけ心地良いって事ですね。
とは言っても欠点が無い訳でもないのです。
バケット形状のシートは体を包み込んでくれる、これ自体は良いのですが、その形状故に座り方や体型に依っては、座面の左右の浮き上がっている部分に入っている硬いパイプの部分が足(太もも)に当って痛い場合があります。
また背もたれ部も同様に、包み込む形状であるが故にリクライニングをOFF、つまり背もたれを垂直に近い状態に立てた場合、バケット左右のパイプの部分が腕に当って痛く感じる場合があります。
さらに、その状態だとマウスの操作をするのに腕の可動が阻害されてしまいます。
もっとも、背もたれに関しては通常時は少し後ろに倒しておけば問題なくなりますけど。
後は、見えない部分は割り切りが多い、って事くらいでしょうかね。
脚部裏面の塗装とか、そういう見えない部分の仕上げが雑に感じます。
ただ、これに関しては気になる人は気になるだろうけど、ってレベルなんですけどね。
実用上問題の無い部分にどこまで拘るか、って事だけですので。
改良して欲しい点としては、肘掛け部がコイズミファニテックのJGシリーズのように後方に倒せるようになると嬉しいかな。
座り心地で言えば、JG4よりもBauhutte RS-800RRの方が圧倒的に上です。
バケットシートを模した形状とウレタンフォームの硬さ(柔らかさ)が絶妙で、座っていて心地良いです。
なお、嫁さん曰くシートが臭い、との事。
筆者的には気になりませんでしたが、新車のシートのような匂いが気になる、との事。
まぁ、数日経てばシートに顔近づけて匂い嗅がない限り判らなくなった、との事ですが。
新車の匂いがダメな人はご注意くださいませ(^^;
組み立ててから1週間ばかり毎日試用した訳ですが、リクライニングで微妙な角度を付けられるので、腰がかなり楽です(w
もう じじい の仲間入りですから、そういう所に結構来るんですよ。
私的には直立状態から3段くらい後ろにリクライニングさせたのが通常時としては一番楽なポジションでしょうかね。
その状態で肘掛けは最大まで高くして、さらに肘掛けを内向きに1段曲げるとキーボード&マウスも使い易い位置になります。
(左手でキーボードのWASD、右手でマウス、にベストなポジション。)
希望小売価格こそ34,000円(税別)ですが、公式サイトの販売店リンクで楽天の検索結果やamazonの検索結果での販売価格を見ると、最安値の価格帯で2万円強になっています。
コイズミファニテックのJGが実売で2万円弱。JG5が2万円半ば、JG7が3万円半ば、と言うことを考えると、かなりコスパが良いように感じますね。
後気になるのは耐久性だと思いますが……
こちらについては今後の経過を見ていきたいと思います。(何か不調があったら追記すると思います。)
[公式サイト] ビーズ株式会社 Bauhutte(バウヒュッテ) RS-800RR